コラム
往来のフローリングは表面材に木本来の風合いを活かした「突き板」と呼ばれる天然木を使用していました。現在は材料費の高騰や施工性の問題から「シートフローリング」が多く採用されるようになってきています。特にマンションでの採用率は高いのが特徴です。
シートフローリングへのコーティングについてよく聞かれるご質問にお答えする形でフロアコーティングの必要性についてご説明したいと思います。
「シートフローリングはワックスフリー(不要)なのでコーティングも必要ないのでは」
「将来的にフローリングを貼り替えてしまえばいい」
「どうせキズつくからどっちでもいい」
まず簡単にシートフローリングの構造について記載します。
シートいわゆるプリントされた木目により均一な表情をもたせたフローリングです。
往来の突き板に比べ表面の印刷部分が大変薄く設計されており、その上に硬質フィルムが貼られる構造をもっています。
表面のフィルムにワックスが密着しにくいことから、ワックス不要といわれる商品が多くあります。(本当は密着するならワックスでもしないよりはした方がいいのです)
ワックスと異なりフロアコーティングはプライマー技術により床面にコーティング被膜を強固に密着させることが可能です。
薄い表面プリント材の上に保護塗膜をしっかりと形成させることができます。
その為、コーティングはシートフローリングに大変有効な保護効果を与えることが可能となります。
また将来的な張替えについてですが、張替えの作業は日常の生活への負担の大きな作業となります。実際に築年数の経過したお客様からフロアコーティングを依頼される際に、「張替えが大変だからコーティングで何とか綺麗にならないか」と言われることが多くあります。
張替えは費用だけでなく工期もかかることがポイントです。
施工範囲にも依りますが工期は3日から1週間程度みておくといいと思います。
家具を全て一時的に移動・撤去する必要もあります。生活しながら張替えリフォームは上記のようなご負担がある点を理解しておく必要性がございます。
最後にどうせキズがつくというご意見についてですが、コーティングしてもキズはつきます。
しかし、するのとしないのとではキズのつき方が全く違います。築1~2年程度でコーティング施工を依頼される方の施工動機の多くはシートフローリングの傷つきやすさにビックリしたことが理由となっています。
フローリングを傷める要因は様々です。
水・湿気によるフローリング基材の劣化、紫外線による変色、お子さんのおもちゃなどで遊ぶ際の生活キズ、ダイニングの椅子の摩擦キズ…
総合的な保護となるフロアコーティングですので、今後のライフプランと合わせてご検討されることをオススメしたいと思います。
※記事はあくまで個人的な見解に基づくものであり、内容につきましてはご利用者様の責任においてご判断ください。